BLACK BUSに勝ってほしい…「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」12巻の感想

あんな描写見せられたら絶対応援しちゃうでしょ!

「SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん」12巻 作者:長田悠幸 町田一八 出版:スクウェア・エニックス

SHIORI EXPERIENCEが強くなってきた

リハの段階で、他のバンドに一目置かれたSHIORI EXPERIENCEメンバー。ここまで来るまで長かっただけ少し感動しますね。今まではバンドあるあるの「自分たちが良いと思ってたけど、客観的に聞くと大したことなかった」だったりチーム内の不和だったり、それぞれの持つ問題解決を繰り返してドタバタしてましたが、10巻であった街おこしフェスや今回の件も合わせて、確実に評価されるようになってきました。

実際にトランペットとサックスが入ったバンドってどうなんでしょうね…自分はその辺り疎いので分からないですが、描写の迫力でなんか凄そうなのが伝わってくるのが素晴らしいです。「ヒカルの碁」とかも碁全く分かんなくても伝わるものがありますものね。音楽系のマンガは特に音や雰囲気を伝えるのが大変なのですが、このマンガは申し分なし!他のマンガでいうと「BECK」は1枚絵で伝えてましたが雰囲気ありましたし、「日々ロック」とかは歌詞を手書きにすることで勢いやメッセージ性を強めていたと思います。

今更ではありますが、伝説を達成しないと主人公は死にます。なので、結構切羽詰まった状況ではあるのですが、こんだけきっちり成長をしていってくれると悲壮感とか全然ないです。

恐らく今の状態で完全フルメンバーになったので、後はスターに昇り詰めるだけですね。

それでもBLACK BUSに勝ってほしい

12巻は全部BLACK BUSの描写といっても過言ではないです。リーダーの黒井がどんな経緯で、どんな気持ちでバンドを続けてきたのか、周りはどんな思いでついてきたのか。あらゆる描写が熱く切ないんです。確かによくある話といえばそうなんです、バンドで花咲かせるのを夢見て苦労するなんてのは。でも描き方が上手く、絶妙に省略してあっさり見せてくれるので
逆に大変だったであろう日々をより深く想像させます。

演奏以外で勝負してるように見えるバンドに立てついて、ケンカしてボコボコにされたり、段々カレンダーでライブの予定が減っていったり、アルバム作ったのに売れなかったり、大事な審査の途中でささいなミスから乱闘になったり…大変です。

でも皆でバイトしながら練習とライブ繰り返して、10年以上やってきて、最後の1年に賭けての勝負…勝ってほしいですよそりゃ!最後ちゃんと演奏を終えて拳をぶつけ合うシーンは本当に良かったな~と涙が出ました。ここまで思い入れが出来たメンバーが、負けてはい終わりは余りに悲しい!でも主人公たちのメンバーと曲の出来もよすぎるので勝つというのも難しそう。なんとか2組一緒にツアー周るみたいなことになりませんかね……

5秒後に地球が爆発しちまっても後悔しねーくらい 毎回死ぬ気で演奏する

これについては黒井が最後の1年自分についてきてほしいと宣言した時に言っていて、実際に演奏する前にもMCで言ってることです。非常にいい言葉だと思います。こういう気持ち凄い大事ですよね、iphone等で有名なアップルを創業したジョブズも「もし今日が人生最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」と毎朝鏡を見ながら自分に問いを投げていたそうです。死を意識することで余計な見栄や不安などを脇に置き、大切なものだけに集中できると考えていたということです。

そこから何が言いたいかというと、この宣言は大切なことに集中する上で理にかなっているであろうこと。そして、そのことから比喩ではなく本気でこう考えてるんだろうなと思えるということです。だからなおさら「いいセリフだな~」と感じました。

この場合は演奏ですね。歌って奏でて、伝えることに全てをかけることがよく伝わる言葉でした。自分もやりたいことに全力で向き合えるようになりたいと思いました。

BLACK BUS、頑張ってほしい。